レーザー加工機を用いた布の切断については、コントロールしたレーザー光線を照射し、布の表面にクリアな絵柄や文字を描く加工は、これまで実施された事例がありません。当社ではレーザー加工機に改良を加え従来難しいと言われていた加工に成功しました。
これまでのレーザー技術では、レーザー光線は発せられる熱問題がクリア出来ないため、焼ける、焦げる、溶ける、臭いが残る、むらができる、強度が落ちる、生地が切れる、ダメージが残る、品質の安定がない、加工が遅い、加工賃が高いなど問題点は100を超えていました。煙や臭いは、製品加工としては最悪の問題点でした。また、作業している人の安全にもかかわってきます。とにかく何から何まで全て見直さなければならなかったのです。しかも理想はどんな素材にも使えることですが、現実は単一素材(例えば、鋼鉄切断)にしか適用されていませんでした。当社ではこれらの問題点につきましてもクリアしてきました。
レーザー加工技術は1960年代に生まれ、鋼鉄切断などの硬質素材に使用されていました。最近では医療などへも使われるようになりましたが、衣服などの軟質素材には使用されていませんでした。誰も研究していなかったことを知ったとき、スピリット精神に火がつきました。できるかできないかは、やってみないとわからない、未知への期待の為にも実用化をしてみたかったのです。できないと聞けば聞くほどやる気になりました。他人から聞くことと自分で知ることは、違うのです。それが試してみたかったのです。
当社のレーザー加工技術は、化学繊維から天然繊維または、非繊維に至るまで、大半の素材に適応した独自のテクノロジーです。具体的には、レーザー光線で表面を熱処理し、複雑で微妙な色合いに絵柄を付すことが可能な画期的技術です。5000分の1mmまで精度が確保され、かつ立体的な服飾製品にも加工が可能ですので、レーザー・システムの用途はきわめて広範囲に及びます。